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【裏切り】デデデデ後章、思ってたのと違った…でも。

kuriwaku
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デデデデ後章、見てきました。

これはこれは、不思議なものを見せられたなという感じです!

ネタバレについては具体的な表現はなるべく避けてますが、何が良かったと明言する映画ではないので…

この映画を観る体験をして欲しいから、できれば観た後に読んでもらっていろんな意見を聞きたいなという感じです!

前章は裏切り、後章は想像通り。

裏切らない、それこそが裏切り。

デデデデ、前章をみたときの感想は「なんだこの新しい感覚は!」という感じでした。

物騒なタイトルや設定からは想像もつかない、ほんわか日常物です。

その絶妙な気持ち悪さが、映画を見る前には予想もつかなかった裏切りであり、面白い部分でした。

さて後章はというと…真逆です。

前章の終わりから想像する、あのまんまのお話。

あのキャラがどこからやってきて、人間と侵略者がどんな関係になって…みたいなのが、ビックリするくらい想像通りだったんです。

前章で裏切られ、初めての感覚を味あわされた分、後章でも裏切られるんでしょ?という感覚。それを裏切られた。

やられたなという感じです。

起承転結の【転】をずっと待っていた

前章を、2時間かけた『起』とすると、後章は『承転結』なんだろうと思って観てました。

ところが、どこまでいっても『転』が来ない

いや、実際には来てるんです。『転』。

でもその『転』は何度も見た事のあるもので、きっとこのデデデデという作品においての『転』ではないだろうと。

もっとドデカい、自分には想像もつかないような『転』で殴られるんだろうって、そんな気持ちを捨てられずに見ていたら…

来ないんです。

やられました。

裏切られた。。。そういう裏切りもあるんだ。。。と。

決してこれは悪い意味ではないんです、これもこれで気持ちいんですよね。

コンテンツが溢れ、先を読みすぎたオタクには、逆に気持ちいい。不思議な感覚です。

ぶっちゃけ、ストーリーだけを追うと”つまらない”

デデデデ後章、この作品はストーリーだけみたらよくある話なんです。

前章からそうですが、ドラえもんだったり、宇宙からの侵略だったり、知ってる設定がありふれていますよね。

侵略者を人間は怖がって、惨殺してしまったり、人間は狂ったり…。

で、最後は地球を救ってハッピーエンドか滅びるか。どっちが来ても普通だよね~っていう。

そんな“つまらない”とも言える普通のストーリーが、なぜか刺さる。

その上、エヴァっぽかったり、天気の子っぽかったり。

前までは今までになかった新しい演出だったものが、今となっては「またあれだ」となってしまう。

過去にあった印象的な表現をたくさん重ねることで、あえて”普通”を演出しているように見えたんですよね。

それがこの作品の魅力だと感じました。

結局のところ、思うことは前章と同じ。

UFOみたいなのが来た世界で、その中でも日常を過ごしていく。

その狂った日常の中で見える、キャラクターたちの生き様。

それが面白いんですよね。

キャラクターの描き方が丁寧で、感情移入できて、ずっと見ていられる。

起承転結のストーリーはあるものの、きっとそこは敢えて薄くなってて、そのおかげでキャラクターたちの魅力に集中できる。

前後章に分けてあるんだから、何か大きく変わるんだろうというミスリードが、私たちの感情を大きく揺さぶるわけです。

デデデデ後章は、多様性のお話なんだ

裏切りがないことが裏切りのデデデデ。

最終的に私が辿り着いた答えは「多様性の話」だってことです。

友達のためなら何でもできる人、女装したい人、侵略者を好きになる人、デモ活動する人、行動が過激になってしまう人、引きこもりetc…

誰かには共感できるし、共感できなくても大変だなって思ったり、本当にいろんな感性が溢れていました。

初めからずっとこの世界は どこか壊れていたの

青春謳歌の歌詞にある、“初めからずっとこの世界は どこか壊れていたの”

きっと、侵略者が来たから壊れてしまったように見えるけど、初めから壊れているんでしょう。

完全なものなんてないですからね。

どちらにしても歪で、みんなが平等なわけなくて、そんな中で少しでも幸せにとか、やりたいことやったりとか、やらなかったりとか。

本当の意味での多様性の美しさみたいなものを、私は感じました。

好きにやれ。いや、好きにやんなくてもいい。

これだけ世界が壊れてたら、普段は尖って見える多様性も、普通なように見える。

ありきたりな表現で言うなら、宇宙規模で見たらちっぽけな存在ってやつです。

だから好きにやっていいんだよ!ってメッセージでもなくて…

考えてもいいし考えなくてもいい。

なんだか…ぬるーっと心に刺さるんですよね。なんだこれ。

結論:デデデデ後章、尾を引く作品でした。

非常にずるいですね!!

裏切りに裏切りを重ねられた結果、感情が落ち着きません。

きっと前章からまた観ると、違う感覚も混ざってくることでしょう。

わたしは、この作品に考えさせられることがたっっっくさんあります。

考えたくなってしまった。自分の人生を。

他の作品でも考えさせられるんですが、敢えてこの作品で考えたい。みたいな。

多分、自分の中で好きな映画No.1にはならないでしょう。TOP10にも入らないかも。

入らないんだけど、ずっと好き。

人におすすめすることも、熱く語ることもない。

だけど好き。

そんな作品として、心に残ってしまうんだろうな。

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